推薦の言葉

小倉記念病院 検査技師部 丹生治司

 

滋賀県立成人病センター 臨床工学部 高垣勝

小倉記念病院 検査技師部 丹生治司

(日本EPアブレーション技術研究会 代表世話人)

 

 「瀬戸内ペースメーカ・アブレーション研究会」発足おめでとうございます。高橋代表世話人および研究会役員の皆様方の並々ならぬ努力には頭が下がる思いです。 

 

 瀬戸内の概念は、岡山県、広島県、山口県、兵庫県、大阪府、和歌山県、香川県、愛媛県、徳島県、大分県、そして我が福岡県の沿岸地域を示すそうです。瀬戸内の激しい潮流のように、瀬戸内11県を大きく巻き込んだ潮流が岡山・広島から発信されることと思います。 

 

 私事で恐縮ですが、心臓カテーテル業務、EPSでの刺激・記録・解析業務を始め早30年が過ぎました。当時、徐脈性不整脈の治療ではDDDペースメーカ、虚血ではPCIなど新しい治療法が開始されました。頻脈性不整脈では誘発と薬効評価などを行っていましたが、抗不整脈薬治療のみが唯一の治療法でした。当院では、19885月、直流電流による房室結節アブレーションが実施され、19924月、佐竹修太郎先生を招聘し、一例目の高周波アブレーションが実施されました。それから約10年後、アブレーション治療の進展や周辺機器の進歩により、EPラボや3Dマッピング装置に熟達することが治療の成績に繋がる時代となりました。また、ペースメーカ関連業務では、CRT、植込み型ループレコーダ、遠隔モニタリング、MRI対応ペースメーカの登場により、コメディカルの活躍の場が拡大してきました。しかしながら、不整脈治療関連業務では、12誘導心電図の解釈や心内電位の解析力が重要であることは今も変わりません。 

 

 本研究会には、不整脈に対する最前線治療の一端を担う若手技術者の育成、植込みデバイスに関する知識向上、心内電位の解析力向上、また、情報交換の場として大いに期待しております。瀬戸内圏におけるペースメーカ・アブレーション治療のため、本研究会に集い、共に研鑽を積んでいきましょう。私も瀬戸内圏である周防灘曽根干潟(福岡県北九州市)の近くに居を構えておりますので、微力ながら協力させていただきます。 

 

 最後に、「瀬戸内ペースメーカ・アブレーション研究会」の今後の更なる発展を祈念いたします。 

 

20136月)

 

 

 

滋賀県立成人病センター 臨床工学部 高垣勝

 

瀬戸内ペースメーカー・アブレーション研究会の設立ならびに第一回研究会開催を歓迎し、一言コメントを述べさせていただきます。

植込みデバイス業務および心臓電気生理業務は、かつては一部の臨床検査技師がその黎明期を支え、現在では新たに誕生した臨床工学技士が多くの施設で業務に当たりあるいは当たろうとしています。しかし、技師が黎明期を支えたような施設と、これらの治療技術の急速な普及をうけ新規に業務確立して行こうとしておられる施設では、技士(師)スキルに大きな差があります。

このような中、瀬戸内ペースメーカー・アブレーション研究会は中四国の技士のスキルアップと情報の共有、および「同志」の連帯を目的に設立されたのではないかと、勝手ながら推察しております

本研究会の代表世話人である高橋勝行氏は、私にとってかねてより交友のある「同志」であり、日ごろ氏より多くのことを学ばせて頂いております。今回の第一回研究会がまさにその一例であり、これまで氏が温めてこられた理想の研究会として結実したのではないかと感じております。

最後に、瀬戸内ペースメーカー・アブレーション研究会のさらなる発展と参加者のご健勝をお祈り申し上げ、歓迎の言葉とさせていただきます。

(2013年5月27日)